自分は大人のADHDかもしれないと思っている人も多いかもしれません。
しかし、具体的にどのような症状があるのかわからないという人もいると思います。
そこで、ADHD当事者である私の経験や、ADHDの専門家が指摘するADHDのサインを紹介します。もしこのような症状があったら、あなたは大人のADHDかもしれません。
もし気になるようであれば、専門家の診断を受けましょう。
目次
1.「落ち着きがない」
ADHDは「多動性」(hyper activity)が特徴の一つです。
この多動性は、子供のADHDと大人のADHDでは違った形で表れます。子供のADHDの場合、「走り回ったり、ジャンプをしたり」というように、多動性の症状がはっきりと見えることが多いです。
しかし大人のADHDの場合、多動性は「イライラ」や「落ち着きのなさ」という形でより微妙に現れてくるのです。
2.「ADHDの子供がいる」
ADHDは「遺伝性」の障害です。家族の中にADHDの人が1人いる場合、25~35%の割合で家族内に他にもADHDの人がいると言われています。
自分の子供がADHDと診断された時、「子供のとき自分も同じような症状があったかもしれない」と気がつく親も多いのです。
3.「人間関係でトラブルが多い」
新しい人間関係は新鮮でとても楽しいものです。しかしその新鮮さは時間が経つにつれて失われてしまいます。
ADHDの専門家によると、しばしば大人のADHDの人にとってその変化が本当に苦痛な時間となります。
大人のADHDの人は人間関係がより安定し慣れきった頃に、衝突を生みやすいのです。
「すぐに気が散ってしまう」「不注意になってしまう」というADHDの症状は、家族や友人にとっては「自己中心的な行為」として見られてしまうので、彼ら/彼女らとの関係を壊してしまいがちなのです。
参考記事:ADHDの人はなぜ自己中心的だと思われてしまうのか?7つの理由
4.「タバコを吸う」
大人のADHDの約40%はタバコを吸います。それに対して普通の人がタバコを吸う割合は26%です。
「ニコチン」はADHDの多くの症状にとても効果的なのです。ADHDの人はタバコを吸わないと別人のようになることがよくあります。なぜならタバコを吸わないと集中力などに問題が生じ始めるからです。
参考記事:大人のADHDの二次障害としてタバコを吸い、ニコチン依存が生じる?
5.「子供の時に学校で何か問題があった」
「自分は大人のADHDかもしれない」と思っている人は、小さいころにADHDの症状があったかどうかを確認してください。たとえば「長い時間座っていられない」「先生の話を聞かない」「自分の作業に過剰に集中したりする」はADHDの症状です。
ADHDの専門家によると、大人のADHDの人は「小さい頃同級生が普通にできることができずとても苦労した」とよく話すそうです。
参考記事:「女の子」のADHDの特徴は?
6.「仕事を後回しにする王様」
あなたは常に締切から締切へと渡り歩いていませんか?
「私の患者はいつも「自分は後回しの王様」あるいは「後回しの女王」と話します。なぜなら、彼ら/彼女らは自分が一番物事を後回しにしてしまう人間だと感じているからです。」とADHDの専門家は話します。
7.「スリルを追い求める」
ADHDの人は時々「刺激的な行為」に惹きつけられます。たとえば「スピードを出した車の運転」「ギャンブル」「不倫」のような危険な行為をしてしまうのです。
「仕事や家族を危険にさらすような行為をしないためには、興奮を味わいたいという欲求を、パラセイリングや他の冒険的な活動などの無害なもので発散することです。」とADHDの専門家は話します。
ADHDの人が危険な行為をあえてしてしまうのは、脳のドーパミンが不足していることとも関係していると言われています。
参考記事:ADHDの人はドーパミンが不足している?ドーパミンを増やす8の方法
8.「いつも何かを忘れる」
毎日のように携帯電話、財布、鍵を忘れていませんか?ADHDの人は「日常的に使うもの」をよく忘れてしまいます。ADHDの専門家はのこのような症状を「意識が動作不足の状態」と表現します。
9.「仕事でトラブルが多い」
誰もが多かれ少なかれ特に楽しくもない仕事をしなければならない時がありますよね。しかしたいていの人々は退屈な仕事を終わらせることが出来ます。
しかしADHDの人にとってはそれがとても苦痛な作業になるのです。多くの反復作業がある仕事は、ADHDの人にとって不適応を起こす要因となります。
10.「すぐに怒りやすい」
もしあなたがある瞬間にすぐに怒ったり欲求不満を抱えたりするが、しかし次の瞬間にはそれが完全になくなっていたりするということがよくあるのなら、それはADHDのサインです。
専門家によると、このタイプの症状は「双極性人格障害」の症状とも重なります。そのためADHDなのに間違って双極性人格障害の診断を下されてしまう人もいます。(双極性人格障害とADHDの両方がある可能性もあります。)
11.「物事を完成させられない」
あなたの家は洗濯物の山で散らかっていませんか?何かの作業を最後まで完成させられないのは大人のADHDの症状です。
専門家によると、最もうまく日常生活に適応できているADHDの人はこの欠点を認識しています。そのため、細かいところまで注意が向き、事務仕事ができ、日常的な仕事が行える人に協力を頼んでいます。
12.「衝動的」
もし後先考えずに思ったことを何でも口にしてしまったり、衝動的に行動することが多く、家族や会社の同僚などとの間でトラブルを引きこしているなら、それはADHDの症状かもしれません。
他にも「突然仕事をやめる」「衝動的に買い物をする」など、後々悪い影響を及ぼすようなことを深く考えずに行うこともADHDの症状に含まれます。
13.「リラックスできない」
ADHDの人の夫/妻は映画を楽しみたいと思っています。しかしADHDの人にとってその映画が好みの映画でなければ、集中することが出来ず様々な考えが頭に浮かんでしまい、ストーリーが頭に入ってこないのです。
リラックスした状態でいるためには、穏やかな意識を必要とします。そして、それはADHDの人にはとても困難なのです。「とてもたくさんのことがADHDの人の意識に入り込んできます」と専門家は言います。
ADHDの人々は瞑想がほぼ不可能なのです。
14.「簡単に注意がそれる」
あなたはオンラインの会議に出席しています。しかしあなたの意識は宙を浮いています。次に気が付いたら会議の内容を忘れています。
ADHDの人にとって「集中力を維持すること」は本当に難しい問題です。これはADHDの主要な症状です。ADHDの人の意識には、絶えずノイズや空想が入り込んできてしまうのです。
15.「整理できない」
あなたの机は書類の山になっています。重要な書類を探すのに30分も無駄にしてしまい、子供を病院に連れて行かなければならないにも関わらず、予約した時間に遅れてしまいます。
ADHDの人にとって「整理すること・し続けること」はとても大変なことなのです。
ADHDの人がうまく整理ができるようにするためには、整理の段階をより細かく分けたりするなどの工夫が必要です。
16.「過集中」
ADHDの多くは集中ができず、気が散りやすいのが特徴です。しかしこれと反対に、過剰に集中する(過集中)もADHDの特徴です。
ADHDの人が一旦何かにのめりこむと、時間も忘れ、周りのことを一切無視してしまいます。その結果誤解が生じる原因になります。
17.「感情の浮き沈みが激しい」
ADHDの人は感情の浮き沈みが激しいのが特徴です。簡単に退屈してしまい、気まぐれで外に出かけていきます。小さな欲求不満でも耐えられず、うつ状態になったり、気分が不安定になるのです。
18.「自己イメージが低い」
大人のADHDの人は、しばしば、自分を責めます。これが自己イメージの低さをもたらします。そして自己イメージの低さは集中力の欠如などをもたらし、学校や職場、他者との関係に問題を起こします。
これらの失敗は自分の責任だと考え、これが自分を否定的に見る原因になるのです。
19.「モチベーションの欠如」
これは主に学校の勉強に集中できないADHDの子どもによく見られる特徴ですが、大人のADHDにも見られる特徴です。
20.「健康に問題を抱えている」
衝動性、モチベーションの欠如、感情の問題、整理できないなどの特徴は、ADHDの人が自身の健康管理を無視することにつながります。そのため、不規則な食事や、運動不足が多くなります。ADHDの人には太った人が多いとも言われています。
参考記事:ADHDの人は過食する人が多い?ADHDの人が過食・肥満を避けるための7つのヒント
21.「職を転々とする」
また他にもネットで受けられるADHDの診断テストが複数あります。参考記事:インターネットで受けられる発達障害の診断テストまとめ
参考記事:15 Signs You May Have Adult ADHD / 12 Signs of Adult ADHD
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