「自尊心」というと、日本人はあまりピンとこないかもしれません。
海外と違い、日本ではそれほど自尊心が重要なものだと思われていないからです。
しかし「自分を愛することができて初めて他人を愛することができる」と言われるように、自分に自信がないと他人とうまく接することもできないと思います。
特に、ADHDの人は自尊心の低い人が多いと言われています。
これは、ADHDの人が小さい頃から否定される経験を多くしてきたからだと思います。そのため、自分のことをダメな人間だと思ってしまうのです。
そこでADHDの人が自尊心を高めるための方法を紹介します。
目次
「自尊心」が低いとネガティブな状態が生まれる
「自尊心」は、自分に対して前向きな評価を持っていることを意味します。
自尊心は「自信」と「自己価値観」につながります。しかし残念なことに、大人のADHDの人は自尊心が低い人が多いようです。
自尊心が低いと、結果として次の15のネガティブな状態が生まれます。
1.不安
2.ストレス
3.孤独
4.うつ状態
5.人間関係の問題
6.実力が発揮できない
7.薬物やアルコール依存
8.ぐずぐず、怠慢な状態
9.自己主張の欠如
10.身体感覚の問題
11.優柔不断
12.自分の望みが達成できない
13.人生が自分ではどうしようもないように感じられる状態
14.自分は幸せになるに値しないと感じられる状態
15.他人を非難する
私たちの自尊心は子供時代から作られます。
大人のADHDの人の自尊心が低いのは、子供のときから「普通」とは違う振る舞いをしてきたからです。
エネルギッシュで、衝動的で、人付き合いが苦手という特徴は、他の人からはマイナスに見られます。
いくら肯定的な支援を得られ、健康的な自尊心を作ることができても、他人からネガティブなことを言われ続けると、自尊心は低くなってしまうのです。
しかしそれでも心配ありません。いくら自尊心が低くても、いまからでも自尊心を高めることはできるのです。
以下が、自尊心を高めるための5つの方法です。
1.「「マイナス」な自己評価を「プラス」な自己評価に置き換えましょう。」
ADHDの人の多くは何年もの間周りの人から否定的な評価を受けてきたため、マイナスな自己評価を内面化してしまいます。
頭の中のネガティブなおしゃべり(自分なんてダメな人間だ・・・)は自信を失わせ、不安や絶えない悩み、希望を失った感覚を生みます。
自分でネガティブなことを考えていると気づいたら、それに対抗するポジティブなことや、それを中和する考えをするようにしましょう。
例えば、「私はいつも失敗ばかりしてしまう。もう二度と成功できないのだ」というネガティブな考えが頭に浮かんだら、これまでに成功できたことを思い出しましょう。
また「ずっと机の上を整理していない」と考えるのではなく、「今のところ机を整理していない(これからする)」というような考え方をしましょう。
2.「成功への道を進みましょう」
実行可能で、小さな行動の積み重ねにより、大きな目標を達成しましょう。
目標を達成した時は、達成感と自分を祝福する気持ちにつつまれるはずです。
3.「毎日自分にご褒美をあげましょう」
仕事を終えた時には自分にご褒美をあげましょう。
「仕事を終えたら何かご褒美をもらえる」というような、「精神的な回路」を作りましょう。これはあなたを前向きにさせます。
ご褒美は特別なものではなくてもかまいません。たとえば、映画を見たり、友だちと会ったり、新しい音楽を聞いたりということで良いのです。
4.「日常の生活で現実的に取り組むべきものの一覧表を作りましょう」
何か日常で悩んでいることはありませんか?少し太ってしまったとか、几帳面になりたいとか、家を掃除したいとかありませんか?もしあるなら、積極的にそれに取り組み解決していきましょう。
5.「自分の「安全地帯」を壊しましょう」
「怖い」ことや、「興奮する」ことを「あえて」しましょう。自分を旅に出しましょう。
たとえば、思い切って大勢の前で話をしたり、スカイダイビングをしてみましょう。
自分がいままでしたことのないことや、苦手なことをあえて行い、自分の「安全地帯」を壊した時に、あなたは成長し自尊心が高まるのです。
以上の方法を行えば、あなたの自尊心は高まるでしょう。
ただしあなたはすでに素晴らしい人物であることは間違いありません。あなたの自尊心が低い時にはなかなか信じられないかもしれませんが、それでも私を信じてください。
あなたは価値のある人間なのです。
参考記事:ADHD and Self-Esteem