現代は「自己管理能力」が強く求められる時代です。
親や先生、会社の上司などは、子供や生徒、部下に自己管理能力を高めるよう求めます。自己管理能力を高めることが、学校や仕事での成功につながるからです。
自己管理能力の高い行動ができれば、その人は有能な人間と認められ、社会から褒められるのです。
そこで、ADHDの人が自己管理能力を高める方法を紹介します。
目次
「ADHDの人と自己管理の関係」
大人のADHDの人は「自己管理ができない」と思われてしまう人が多いようです。
子どものときから、親や先生に「だらしない」と繰り返し言われ続けてきた人もいるでしょう。
ADHDの人自身も、そのような「他人の声」が自分の一部になってしまっています。
そして、大人になっても、パートナーや上司から同じことを言われているかもしれません。
しかし、ADHDの人が自己管理できないように見えるのは、「怠け」や、「やる気がない」、「思いやりがない」からではありません。ADHDの人は「生まれたとき」からそうなのです。
ADHDの症状は神経状態の問題であり、その人の性格とは「全く」関係ないのです。
「自己管理能力のある人の特徴とは」
自己管理能力のある人を想像する場合、一般的に思い浮かぶのは以下のような人です。
- 朝早く起きる。
- 前日に次の日の計画を立てる。
- 一日の計画に忠実に従う。計画から外れることはしない。
- 時間管理をしっかりする。
- 生産性が高い。仕事が遅れるという言葉は彼ら/彼女らの辞書にはない。
- 気が進まない仕事もきちんと行う。
- 長期的な目標を理解している。
- 長期的な目標を達成するための行動を毎日行う。
- 時間を無駄にしない。
- 仕事は途中で投げ出さない。
- 会議や約束の時間は必ず守る。
- 有言実行。
- 他人の会話にも興味を持つ。
- 整理整頓ができる。
大人のADHDの人の多くはこれらの行動ができずに悩むことが多いのではないでしょうか。
これは「怠け者」だからなのではなく、ADHDの人の脳が普通の人とは異なっているからなのです。
脳の違いがADHDの人の行動をほかの人たちと違ったものにしているのです。
しかし、このことはADHDの人が「行動を変えることができない」ことを意味しているわけではありません。
ADHDの人も自己管理能力を高めることはできます。ただし、ADHDの人はそれが「自然にできない」ということだけなのです。
そこで、次にADHDの専門家が提案する自己管理能力のある行動を行うための方法です。
1.「過去の罪や恥を捨て去る」
過去、人から言われたことで抱えてしまった「罪」や「恥」を捨て去りましょう。
そうすることで、自分を信じ、自分は変化できると信じられるようになるのです。
2.「優先順位をつける」
「どの部分」で自己管理能力を最も高めたいのかを決めましょう。
たとえば、「約束の時間の5分前に到着する」「仕事を時間通りに終わらせる」などです。いったん決めたらまずはそれに集中して取り組みましょう。
そして、それができるようになったら、その次を決めましょう。時間がかかることなので、忍耐強く取り組む必要があります。
3.「モチベーション」
モチベーションを高めるようにしましょう。
やる気があれば、すべてのことはより簡単になります。
4.「習慣」
習慣を身につけましょう。
習慣は「意志」や「やる気」の必要性を取り除きます。習慣を身につければ、それが当たり前のこととしてできるようになります。
次の「ADHDの人に重要なのは「意志」よりも「習慣」?なぜADHDの人に習慣が大切なのか」も参考になります。
5.「チェックリスト」
チェックリストを使いましょう。
チェックリストは整理整頓と生産性を高めてくれます。また、仕事を開始しそれを続けるのも助けてくれます。
次の「大人のADHDの時間管理に関するチェックリストが話題に」も参考になります。
6.「睡眠と起床」
睡眠と起床の方法を学びましょう。
夜に気持ちよく寝て、朝気持ちよく起きられることは大切です。
次の「ADHDの人は起きるのが苦手?ADHDの人が上手に目覚めるための8の方法」も参考になります。
7.「目標と計画」
ADHDの人に向いている目標と計画の立て方を学びましょう
8.「仕事環境」
生産性を最大にできる仕事環境を整えましょう。
次の記事「ADHDで苦労しないための、仕事選びや人との付き合い方、考え方のヒント」も参考になります。
参考記事:ADHD and Discipline