ADHDの人は失業中や非正規雇用、仕事を転々としている人が少なくありません。
これはADHDの症状が原因です。特に、ADHDの人は職場が苦手です。
アメリカで行われたADHDの人の職場でのパフォーマンスの実験では、ADHDの人は職場で仕事を終わらせることが非常に難しいことがわかりました。
「ADHDの職場での8時間労働を比較」
実験では、18歳のADHDの人とADHDではない人が、「職場で8時間働く」という「8時間労働のシュミレーション」に参加しました。
実験の間、ADHDの人は薬を服用することが止められました。
参加者は机に座り、様々な作業を行いました。内容は、文章読解、数学や論理の問題を解く、動画を見る、作文です。
その結果、ADHDの人は(ADHDではない人と比べると)文章を理解したり、数学の問題を正確に解くことがとても苦手なことがわかりました。
一方で、動画の内容を理解したり、文章を書くことは問題ありませんでした。
しかし、課題をこなしている間は、苦しくなったり、不注意状態になったり、そわそわしたりしたそうです。
「上司が見たら「仕事ができない」とレッテルを貼られるかも?」
実験の参加者からは、ADHDの人の「多動性」と「落ち着かない様子」が確認できました。
研究者によると、もしこれが本物の職場で、上司がADHDの人の様子を見ていたら、マイナスになる可能性が高いです。
ADHDを理解していない上司だと、職場でのADHDの人の行動がさっぱりわからないことも多く、結局、ADHDの人は「仕事のできない落ち着かない人間」だというレッテルを貼られてしまう可能性があるでしょう。
「ADHDの人は、決まりきった仕事が苦手?」
ADHDの人は「決まりきった(構造化された)仕事」が苦手です。
研究者の中には、大人のADHDの人に向いている仕事は、「ジャーナリスト」と「救命救急センター」だという人もいます。
締め切りのプレッシャーや、絶えず課題が移り変わる職業(ジャーナリストや救命救急センター)は、興奮状態を生み出すそうです。
これは「リタリン」というADHDの治療薬と同様の効果が得られます。
「退屈」はADHDの人に「有害」です。退屈を感じない仕事のほうが、ADHDの人には向いているということかもしれません。
ADHDの人の仕事探しに関しては、こちらの記事(大人のADHDに向いている仕事10選、大人のADHDが就いてはいけない10の仕事)も参考になります。
どちらにしても、従来の「普通の人」が働く職場環境では、ADHDの人の多くは働きにくいのかもしれません。
参考記事:Workplace May Overwhelm Adults With ADHD