ADHDの原因の一つは「遺伝」であることは有名ですが、他にも生まれ育った家族の経済的・社会的な状態も関係するかもしれません。
最近のイギリスの研究によると、ADHDの子供のいる家族は経済的に貧しい家族が多いことが明らかになりました。これはエクセター大学医学部によって行われた研究で、2000年から2002年の間生まれた子供、1万9千5百人以上のデータが利用されました。
具体的な調査結果は以下です。
1.「ADHDの子供がいる家族の収入は低い」
2.「ADHDの子供がいる家族は公営住宅に住む家族が多い(約3倍)」
3.「ADHDの子供がいる母親の年齢は若い」
4.「ADHDの子供の母親はシングルマザーが多い」
5.「ADHDの子供の母親は特に職業技能や資格を持っていない人が多い(2倍)」
研究者によれば、もし経済的・社会的状態がADHDの原因だとするなら、遺伝とは違って社会的に対処することが可能になるとのことです。また中には「ADHDの子供がいることで家族の経済的状況が悪化する」と思っている人もいますが、そのような証拠は見つからなかったそうです。
ただしこれはあくまでイギリスでの研究なので、これをそのまま日本に当てはめることは慎重になる必要があります。今後もし可能なら日本でも同様の研究が行われることを期待したいです。
参考記事:Scientists find link between social and economic status and ADHD in the UK