大人のADHDの人にとって「お金」の問題は深刻です。
ADHDの人はお金を管理するのが苦手だと言われています。たとえば、「破産」「差し押さえ」「クレジットカードによる借金」「長期にわたる失業」などを経験するADHDの人は少なくないそうです。
また、「衝動買い」や「お金に関する夫婦げんか」なども、普通の人より多くなる傾向があるそうです。さらに、「貯金」や「老後の計画」などをあまり考えない人が多いようです。
ADHDの人はお金に関してネガティブな感情を多く抱えてしまう傾向にあるそうです。
たとえば、望んだ額よりお金が稼げないと、罪や恥の意識を感じてしまい、借金をしたり、過度の浪費をしてしまうのです。
しかし、ADHDの人がお金でトラブルを抱えがちなのは、身体的な理由もあるようです。
ADHDの人は脳の実行機能に問題があるため、細かい作業や、感情や衝動の制御、整理してまとめることなどに問題が出ると考えられます。
そして、これらの問題が「お金の問題」を引き起こしてしまいます。
たとえば、お金を上手に管理するためには、衝動買いを避けたり、請求書などを細かく整理する必要があります。しかし、実行機能に問題があるADHDの人は、これらのことがうまくできない可能性があるのです。
しかし、現在の金銭状況がどのようなものであれ、それを悲観的に思うことはありません。むしろ、ネガティブな感情は事態をさらに悪化させるだけです。
ネガティブな感情を変える一番の方法は、正確な知識を得てお金を管理する能力を身につけることです。
そこで、次にお金を上手に管理する方法を紹介します。
目次
1.「現在の金銭状態を正直に見る」
現在の自分の金銭状態を正直に見ましょう。
正確に確認せずに漠然とした不安を抱えるよりも、直視したほうが良いのです。
銀行の貯金額、クレジットカードの請求額、年金の状況など、現在のお金の状況がどうなっているのかを正確に把握しましょう。
2.「お金の専門家に助けてもらう」
お金の専門家はとても助けになります。
もしお金の管理が苦手という人は、専門家の力を借りると良いかもしれません。
たとえば、会計士やファイナンシャルアドバイザー/プランナーなどです。
3.「オンラインバンクを活用して預金残高を毎日チェック」
「オンラインバンク」を活用しましょう。
オンラインバンクを利用すれば、現在の預金残高をとても簡単にチェックできます。
特に、一日に一度は確認することが良いようです。
定期的に口座の状態を見ていれば、現在の金銭状態がよくわかるようになり、無駄遣いも減るでしょう。
4.「オンラインで支払いをする」
ADHDの人は税金や光熱費などの支払いが苦手な人も多いでしょう。
支払いを忘れたり、請求書をなくしてしまったりする人もいるかもしれません。しかし、オンラインで支払いをするようにすれば、そんな問題はなくなるのでおすすめです。
5.「予算を立てる」
予算を立てその範囲でお金を使えば、お金に関して罪の意識を感じることもなくなるでしょう。
毎回計画を立て、将来に向けて貯金をしましょう。
6.「衝動買いを避ける」
衝動買いを避けることは大人のADHDの人にとても難しいことです。
しかし、お金をの使い方をコントロールするのはとても大切です。
たとえば、「クレジットカードは一つしか持たない」「買い物に行くときは必要な額だけの現金を持っていき、それで支払うようにする」などがおすすめです。
また、計画に基づいて買い物をし、予算の範囲内に収まるように心がけましょう。
7.「金銭問題は他の人と共有する」
パートナーや家族などと金銭問題を共有しましょう。
ADHDの人の中には、パートナーや家族にお金の問題を話すことに気が進まないという人もいるかもしれません。しかし、お金の問題は常にオープンにしていくことが大切なのです。
8.「お金に関する意識を変える」
お金には「感情」が入りがちです。お金が大好きな人もいれば、大嫌いない人もいます。
しかし、お金は単にモノやサービスを交換する道具にすぎません。
もちろん、お金の代わりに牛やパンなどで物々交換も可能でしょうが、お金はそれよりも便利なのです。
お金から感情を取り払うとお金に対処しやすくなります。
参考記事:ADHD and Money / 8 Money Management Tips for Adults With ADHD