発達障害者の人が一番苦労することの一つは、働くことです。
私自身も仕事がなかなか長続きせず、職を転々としています。発達障害の特徴に「仕事が長続きしない」「仕事を転々とする」もあります。一説には発達障害者の3割が6か所以上の職場を経験しています。
しかしこの特徴は、もしかしたら発達障害の特性だけでなく、日本の会社文化も関係しているのかもしれません。
以下の記事によると、発達障害の人は日本企業で働くのが辛いです。これは「発達障害の特徴」と「日本企業の特徴」の相性が悪いことが原因です。
記事によると、発達障害の人は「判断に必要なデータが動的であり実行して初めてわかるような部分が多い仕事」が苦手です。
そして日本の企業は、その発達障害の人が苦手な「動的データ」の仕事が多いのです。
この動的データというのは、具体的には以下のことを指しています。
組織内のルールやノウハウは明文化しません。空気を読んで作業することが前提なので、各自の責任分界点や担当範囲は曖昧です。業務の多くは属人化し、アイディアやノウハウは言語化せず、盗んで覚えろ、見て覚えろ、空気を読め、という対応が求められます。
つまり「ルールやノウハウが明確化されていない」「空気を読むことが要求される」などです。以前から発達障害者の人はこれらが苦手な人が多いと言われています。私も非常に苦手です。しかし日本企業では、このような発達障害の人が苦手とすることが多く要求されるのです。
また日本企業では、集団の一体感を保つために、仕事以外でも様々な集まりがあります。一番わかりやすい例は、「飲み会」でしょう。
集団の統一感を保つための儀式が盛んに行われます。学校であれば、それは文化祭や体育祭、遠足であり、職場なら飲み会や親睦会、朝礼、町内会ならドブさらい、廃品回収に祭りです。そうういった儀式は大変重要なため、労働時間外の私的な時間も費やすことが当たり前だと考えられています。そのため、日本の人は、学校や職場で過ごす時間が長くなります。
発達障害者の人の中には、このような仕事以外の集まりが苦手な人が多いでしょう。
一方、外国企業ではルールやノウハウが明確化され、空気を読むこともあまり要求されず、仕事以外の集まりはほとんどないことが多いそうです。
そのため、日本企業ではクビになりそうな発達障害の人でも、外国企業では問題なくやっていける場合があるそうです。
もちろん外国企業、特に英語圏に行って働くというのは誰でもできることではないと思います。高度な語学力やスキルが必要となるでしょう。
しかし働くのが辛いという発達障害の人は、その辛さが文化的な要因も関係している可能性があるということを知っておくことは、プラスになると思います。
また、これを参考にして、外国まで行かなくても、日本国内で外国企業の特徴に近いような職場を探せば、働きやすくなるかもしれません。
仕事は「発達障害の方の「自分らしく働く」を徹底サポート【リンクビー】」(障がい者向け)などで探せます。
参考記事:なぜ発達障害者は日本企業で働くのが辛いのか?