ADHDの人によくありがちな間違いは、定型発達の人向けの治療方法を使用することです。
両親や、先生、配偶者などは、ADHDの人の脳の働きがどのようなものかを理解していません。そのためADHDの人の様々な症状に対して、定型発達の人向けの治療方法を勧めてくるのです。
しかし効果が出ない場合、ADHDの人にきちんとやっているのか問い詰めたり、もう一度行うよう主張したりします。
このようなやり方は、もし治療が成功しない場合、その人を怠惰と非難したり、本当にやっていない、などと批判することになります。
しかしこれはテクニックが問題なのであり、その人自身に問題があるわけではありません。
そこでADHDの人向けの治療のヒントを紹介します。
目次
1.「普通の人の解決策にさよならする」
ADHDの人は、定型発達(neurotypical)の人の治療法を用いるのは諦めましょう。
ADHDの人の人生が変化するのは、定型発達の人の治療法には効果がないことを理解したときです。
2.「チアリーダーを探そう」
ADHDの人が成功して幸福になるための鍵は、ADHDの人を心から信じてくれる人を持つことです。
ADHDの人が良い人間で、賢くて、愛される人だと深く信じてくれる、チアリーダーを持つことが大切なのです。
成功したADHDの人たちは、両親や先生、兄弟、またはスポーツのコーチなどに、子どものときから愛されてきた人が多いです。
チアリーダーの主な仕事は、「子どもの価値」と「子どもが成し遂げた」ことを区別することです。子どもを無条件で応援することがチアリーダーの仕事なのです。
3.「ADHDを知る」
ADHDのセラピーではADHDとは何か、ADHDの人には何ができて何ができないかを知ることが推奨されています。
ADHDの子どもを持つ両親はADHDのすべてを知り、自らが子どもの解決の助けになることが重要です.
4.「ADHD治療薬はハンディをなくす」
適切なADHD治療薬を適切な量服用すると、注意力の持続時間、衝動性、運動能力が改善されます。
ADHDの人の多くは、薬を服用するとまるで自分が定型発達の人と同じようになったと感じられるのです。それは人生で初めての経験という人も多いでしょう。
参考記事:ADHDに効果のある薬、「コンサータ」と「ストラテラ」とは?
5「フォーマットを変える」
ADHDの人は自分の知っていることを誰かに伝えることに苦労します。
ADHDの人は自分の才能を見せるための斬新な方法を探す必要があるのです。
たとえば、英語の授業で作文の課題に苦労しているADHDの男性がいるとします。
彼は課題として出された本に退屈してしまいました。そこで、先生と話をして作文のレポートの代わりに、本のパロディを書かせてくれるよう説得しました。
その結果、彼はものすごい勢いで課題をやり終えて、トップの成績を収めたのです。
6.「退屈を避けるために競争を作る」
ADHDの人は新しい仕事と活動をすぐにマスターできますが、結局マスターしたらすぐに興味を失ってしまいます。
退屈を避けるには、挑戦や競争をすることが助けになります。
ライバルの存在や、テレビゲームでレベルを上げるための課題などは、ADHDの人が興味を持ち続けるために必要なことなのです。
7.「仕事に集中するための方法を探す」
たとえば体をつつくというテクニックは、注意がそれている生徒に対して先生がよく行います。
しかし、これは仕事中のADHDの人にも役に立つテクニックです。
参考記事:Right Goal, Wrong Strategy – 11 New Treatment Ideas