妊娠中に不健康な食生活をして高脂肪になったり、砂糖をとりすぎてしまうと、子どもがADHDになる可能性があるそうです。
これは、キングス・カレッジ・ロンドンの発達心理学者、エドワード・バーカーとその研究チームにより明らかになりました。
164人のDNAを分析
研究チームは、症状のある83人の子どもと、症状の少ない81人の子どもの合計164人のDNAを分析しました。また出生前と出生後の母親の脂肪と砂糖の量も調べたそうです。
その結果、栄養状態の悪い母親から生まれた子供は、IGF2遺伝子がより高度にメチル化していることがわかりました。
IGF2遺伝子の高度なメチル化は、ADHDの症状との関連性があるそうです。
そのため、妊娠中の母親が健康な食事は、子どものADHDの症状を減らす助けになる可能性があります。研究者は、子どもの成長と発達のためにも、妊娠中の母親が豊富な果物、野菜、乳製品、タンパク質、パンや穀物を食べることをすすめています。
今回の研究結果の因果関係などはまだわからない
ただし、今回の研究は、あくまで妊娠中の母親の不健康な食事と子どものADHDの症状に「関連性がある」とわかっただけです。
因果関係が明確になったわけではありません(もしかしたら別の原因が関係しているのかもしれません)。
また、ADHDは一つの原因で起きる症状ではありません。今回の研究結果が正しかったとしても、それはあくまで原因の一つとして考えられるということだけです。
さらにこの結果から、子育てに苦労している母親が非難される可能性もあるので、その点にも注意するべきでしょう。
参考記事:Eat Well for a Healthy Baby: Sugar and Fat Linked to ADHD in Children / ADHD in Children Health Center