境界ADHD(Subthreshold ADHD)とは、最近のAPSARD(米国ADHDおよび関連障害専門家協会)の会議で出された概念です。
ADHDの診断基準に当てはまらないが、ADHDの症状がある人たちのことです。
境界ADHDの人は12歳以前にADHDの症状がない
たとえば、現在のADHDの診断基準(DSM-5)では、12歳以前にADHDの症状を示している必要があります。しかし、境界ADHDの人はそれに当てはまらないことがあるため、ADHDの診断から外れてしまいます。
しかし、境界ADHDの人は、診断基準を満たしていないにもかかわらず、大きな障害を抱えている可能性があります。
診断もされず、治療もされていない境界ADHDの人は、その後の人生で大きな苦痛を経験します。その結果、薬物乱用や燃え尽き症候群、仕事上およびプライベートの問題に直面するリスクが高まる可能性があります。
この問題に対処する方法の1つは、ADHD の症状が 12 歳までに存在していなければならないという DSMの要件を削除または調整することが考えられます。
また、別の方法として、大人のADHD の症状基準を拡張して、現在 DSM-5 に含まれていない、感情調節障害を含めることが考えられます。感情調節障害は、ADHDの人によく見られる症状です。
参考記事:The State of Adult ADHD Today
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