NHKスペシャルで放送された「キラーストレス」が話題になっているようです。
「キラーストレス」という言葉は、日本ではまだあまり知られていませんが、どのようなものなのでしょうか?NHKのWEBサイトでは、「キラーストレス」が以下のように説明されています。
激動の社会の中、高まるばかりのストレス。国は、職場でのストレス検査と検査後の対策を企業に義務づけるなど、本格的なストレス対策に向けて動き出した。調査によれば、「仕事でストレスを感じている人」は80%を超えるというデータもあり、社会を取り巻くストレスは深刻だ。
このシリーズが特に注目するのは、私たちの命を奪う可能性のある、いわば「キラーストレス」とでも呼ぶべきストレスの存在だ。脳科学や生理学など最先端の研究は、ストレスが人の体に「ストレスホルモンの暴走」を引き起こし、脳細胞や血管を破壊して、人を死に追い込む詳細なメカニズムを明らかにした。
すなわち「キラーストレス」とは「私たちの命を奪う可能性のあるストレス」のようですね。
現代社会はストレス社会と言われています。多くの人がストレスを抱えており、以前からストレスの健康面への悪影響が問題となっていました。ただしストレスが「直接命を奪う原因」となるものであるという認識はあまりされていなかったように思われます。
しかし最近の研究で、ストレスが死の原因となるものであるということが明らかになってきており、それが「キラーストレス」と呼ばれているのです。
具体的には、ストレスが「脳細胞」や「血管」を破壊したり、ガンの進行に影響を与えることがわかってきているそうです。
キラーストレスに影響を受けやすいのは「社会的な地位」が低い人?
またストレスに関する欧米の研究に興味深いものがあります。以下の記事によると、社会的地位はストレスに大きな影響を与えるそうです。
サポルスキー博士は、アフリカの「ヒヒ」社会の研究から社会的地位がストレスに大きな影響を与えることを発見しました。
社会的地位の高いヒヒほどストレスが少なく、社会的地位の低いヒヒほどストレスが多いことが明らかになったのです。
具体的には、社会的地位の低い、「何も持っていない」ヒヒは、心拍数も血圧も高く、病気になるリスクが高いのだそうです。
そしてこれは人間社会にも当てはまるのだと博士は主張します。
また男性と女性というジェンダーの違いは、ストレスをどのように経験するかで異なります。女性のほうが、ストレスによるうつ病や不安を抱えやすいと言われています。
非正規雇用が増え、社会の格差が広がっている日本社会では、キラーストレスの影響を受けやすい、社会的立場の弱い人がどんどん増えているのではないでしょうか。
キラーストレスに負けないストレスの解消法は?
ではストレスに殺されないためにはどうしたらいいのでしょうか?
このキラーストレスに負けないためには、当たり前のことですが、ストレスを減らすことです。NHKスペシャルでは、専門家による「ストレス解消法」が紹介されています。
NHKスペシャルでは、キラーストレスに負けないストレスの解消法として「マインドフルネス」が紹介されていました。
「マインドフルネス」とは以下のことです。
マインドフルネスは、自分の身体や気持ち(気分)の状態に気づく力を育む「こころのエクササイズ」です。欧米では、すでにその効果について、多くの実証的研究報告があり、ストレス対処法の1つとして医療・教育・ビジネスの現場で実践されています。
マインドフルネスとは、「今この瞬間」の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れることです。1つのことに集中して行います。いつでもどこでも実践できます。
「マインドフルネス」は日本ではまだあまり有名ではありませんが、欧米ではすでに様々なところで行われているストレス対処法のようですね。
「自分の身体や気持ちの状態に気づく」とありますから、瞑想に近いのかなとも思いました。
またNHKスペシャルでは、専門家による「マインドフルネスの実践方法」も紹介されています。
(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
(2)呼吸をあるがままに感じる
(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
(4)身体全体で呼吸するようにする
(5)身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
(6)瞑想を終了する
「マインドフルネスは」家で気軽にできるものなので、ストレスを抱えている人は一度試してみてはいかがでしょうか。
他にストレスの対処法としては、運動がありますよね。マインドフルネスも「心の運動」ですから、心だけでなく体も運動すればストレス対策にさらに効果的なのでしょう。
もちろん一番のストレス対策は「ストレスを受けない」ことです。ストレスの原因を除去することですね。
しかしこのストレス社会で生きている限り、ストレスから逃れることはなかなか難しいのが現実だと思います。ですからできるだけストレスを上手に解消する方法を見つけていきたいです。
参考記事:シリーズ キラーストレス / Documentary Examines How Stress Kills