インセルと呼ばれる人たちにはどのような特徴があるのでしょうか?
次の海外の記事より、151人の自称インセル男性と378人の非インセル男性を比較した最新の研究結果の一部を紹介します。
目次
1. インセルは精神状態が悪い
抑うつ、不安、孤独、生活満足度を調べたところ、インセルは有意にスコアが低いことがわかりました。
この結果は、インセルが劣悪な精神状態に悩まされていることを意味します。
2. インセルは被害者意識を持っている
非インセルの男性に比べ、インセルは被害者意識を持つ傾向が強いです。
彼らは、他人が自分のことを利用し、共感してもらえないと感じています。
重要なことは、彼らはこの不公正感を反芻し、それを認めさせたいという衝動に駆られる傾向が見られることです。
このような被害者意識を持つことは、インセルの精神状態を悪くする要因になると思われます。
3. インセルは不特定多数の人とのセックス欲求が高い
これは、インセルの欲求不満の要因を説明しています。
一般的に、不特定多数の人とのセックス欲求には大きな性差があります。
男女ともにばらつきは見られますが、女性は不特定多数の人とのセックスにあまり興味を示さない傾向があります。
また、女性にとって不特定多数の人とのセックスはリスクが高いため(妊娠、性病による不妊など)、セックスの相手に対するハードルは高く設定されることが多いです。
インセルはこのような非常に厳しい市場に参入し、ほかの男性たちと争うことになります。その結果欲求不満が生まれます。
4. インセルは若く、ニートで、実家に住んでいる
インセルは非インセルよりも年齢が若く、親と同居しており、ニートである人の割合が2倍です。
特に男性にとって、社会的な地位を築き、結婚市場での競争力を高めるには教育、雇用、自立が重要です。インセルにはこれらがありません。
また、インセルにはメンタルヘルスのサポートを提供するのが難しいことも示唆されています。
5. インセルの民族的・政治的多様性
調査では、インセルの民族的・政治的多様性が明らかになりました。
インセルの3分の1以上が、自身をBIPOC(黒人、先住民や有色人種) と定義しています。
また、政治的な立場では、ほとんどが左寄り(44%)、次いで右寄り(38%)、そしてその中間(17%)でした。
このことは、インセルに関するいくつかのステレオタイプが不正確であることを示唆しています。
まとめ
インセルはさまざまな民族的・政治的背景を持つものの、地位が低く、被害者意識が強く、不特定多数の相手とのセックス欲求があり、精神状態が悪いという傾向が共通しています。
調査結果は、交際の見込みがないことに苛立つ絶望的な若者の姿を描いており、それが極端な意見や虚勢、同じような感覚を持つ仲間とのつながりを求めることに現れています。
参考記事:What Do We Know About Incels?