ADHDの人は会話中に注意がそれて別のことを考えてしまい、結局内容を聞いていないことがよくあります。
そんなことが続くと、人によっては怒り出す人もいるでしょうし、「馬鹿にされている」と思う人もいるかもしれません(もちろん馬鹿にしているわけではありません)。他人との関係を壊してしまう可能性があります。
このようなADHDの特徴を改善するためにはどうすればよいのでしょうか。そこで、ADHDの人が会話で集中するための方法をいくつか紹介します。
目次
「会話の全体的な意味を理解する」
全ての言葉に注意を向けようとするよりも、会話をしている人が何を伝えようとしているのか、「会話の鍵となる部分」を理解しましょう。
ちょうど「速読」をする人が全ての文章を読まないのと同じように、会話の全体の意味を理解するために、会話の全ての言葉に注意を向ける必要はないのです。
「逃した言葉はもう一度聞き返す」
会話中に注意がそれ、言葉を逃して聞けなかった場合、もう一度言ってもらうように頼みましょう。
たとえば「最後の部分をもう一度言ってもらえませんか?」と言いましょう。これを悪いと思う必要はありません。
会話をする人に迷惑になると思うかもしれませんが、話を聞き返すことはよくあることです。
また、これは「お世辞」にもなります。言葉を何度も聞き返すということは、それだけその言葉が価値あるもので、きちんと理解したいと意味するからです。
「会話の内容を要約する」
会話中に意識が「宙をさまよう」ことがよくあるなら、会話の内容を「要約」することは重要な戦略となります。
たとえば「わかりました、要点をまとめると、火曜日までに私にXとYとZのことをしてほしいということですね。」と要約します。
もし要約の内容が間違っていたら、話をしている人は知らせてくれるでしょう。要約は誤解をなくす助けにもなるのです。
「感情的な混乱に対処する」
会話中に「感情が乱れる」ことがあります。
会話の内容によって、怒りや悲しみ、幸せなど、いろんな感情が生じます。そしてそれがどんな感情であれ、感情は人を混乱させ、会話で集中するのを難しくさせます。
このようなことが起きた時は、静かに自分の意識を感情の乱れから会話のほうに戻すようにしましょう。そして、会話の後に感情がどのように生じたのか、その経過をノートに書き留めましょう。
「「そわそわ」する」
大人になると、落ち着かずに「そわそわ」するのは許されず、じっと座っているよう言われます。
しかし、実は「そわそわする」ことで会話の集中力を改善できます(*そわそわすることで、緊張感をほぐす)。
結婚指輪やネックレスの一部をいじったり、手でペンを回したり、足を静かにぶらぶらさせることで、そわそわできます。
うまく「そわそわ」するポイントは、目立たないよう微妙にすることです。
「体を動かす」
会話に集中できない理由には、身体的な要因もあります。
会話中おなかが空いていたり、疲れていたり、長い間座っていると、集中できずに体を動かしたいと感じることがあるでしょう。
そんな時は、会話をしながらでもしばらく簡単に歩き回るといいでしょう。
「外部の気が散る要因に対処する」
会話中、会話の外で気が散るようなことがあると、会話に集中することはとても大変です。外部からやってくる気が散る要因はその全てを避けることはできません(例えば、近所の犬の鳴き声など)。
しかし電話の着信音や、テレビを消すこと、コンピューターから離れることはできますよね。自分のできる範囲で、気が散ることは減らしていきましょう。
「口元を見る」
会話のときに相手の口元を見ることは、その相手が話している内容を理解するのに役に立ちます。
読唇術までできるようになる必要はありませんが、口の動きを見ることは、相手が話す言葉を理解するのに役に立ちます。
「退屈な状況を避ける」
ADHDの人は、退屈を我慢する力が弱いです。
もしADHDの人が退屈を感じると、注意が散漫になり、意識は別のほうに向かい始めます。
もちろん、退屈な状況や退屈な人を完全に避けることは不可能です。しかし、できるだけ意識して退屈なことを避けるようにしたほうがよいでしょう。
「メモをとる」
可能な時は、いつでもメモをとりましょう。
会話中メモをとっても他の人は嫌がりません。むしろ、あなたのメモを取る姿に感銘を受けるはずです。それだけ会話を真剣に聞いているということだからです。
メモをとる行為は、相手の言うことに集中し、その後記録もとれるので役に立ちます。
参考記事:10 Ways to Pay Attention in Conversations