ADHDの人の数は国によって異なります。
アメリカとフランスを比較した場合、フランスはADHDの子どもが少ないです。
ADHDの子どもの数は、アメリカは9%に対し、フランスは0.5%以下です。
なぜ国によって数が異なるのでしょうか?
心の問題?生理学的な問題?
フランスではADHDは心の問題として解釈されるため、まずはその心の問題の原因となっている社会環境の問題を解決しようという方向で動きます。
そのため、すぐにADHDと診断することはありません。それでADHDの子供の数が少ないのです。
一方、アメリカではADHDは生理学的問題として解釈されるので、ADHDの症状があればすぐにADHDとして診断される傾向があります。生理学的問題であるならば、社会環境の問題を解決しても効果がないと考えるからです。
そのため、ADHDではない子どもまでもADHDとして診断されてしまう場合もあります。それで、アメリカではADHDと診断される子どもの数が多くなるのです。
食べ物か?薬か?
また興味深いのは、フランスではADHDの治療として食べ物を重視します。
特に、合成着色料や防腐剤、アレルギー性のあるものはADHDの症状を悪化させると言われており、できるだけそのような食べ物は摂取しないようにします。
一方、アメリカは薬で治療することが多いです。
このように、一口にADHDと言っても、国によってその解釈が異なることで、その数も変わってきます。
確かに「ADHD」と言っても、あくまでそれはある特定の症状にすぎません。それをどう解釈するかはあくまで私たち人間なのです。そのことはよく覚えておいたほうがいいと思います。