新しい研究で、「ゲーム」がADHDの子どもの注意力を改善できる可能性があることがわかりました。
これは今週に「The Lancet medical journal」に掲載された研究です。2017年に実施された試験の結果が基となっています。
試験内容
試験では、8から12歳のADHDの子ども348人が、タブレットで「AKL-TO1」というゲームを1日25分、週5日間プレイしました。
このゲームのユーザーは、コースを競い、障害物をかわし、報酬を獲得して次のレベルのプレイに進みます。これには、素早い反応時間と意思決定が必要で、プレイヤーのスキルに応じて難易度が上がります。
この試験を4週間行った後、参加した子どもたちのパフォーマンスに大幅な改善が見られました。
前頭前野の一部を対象
このゲーム「AKL-TO1」は、ボストンに本拠を置く「Akili Interactive Labs」によって製作されています。
AKL-TO1は認知制御を支える前頭前野の一部の改善を対象としています。この部分はADHDの人に欠陥があると考えられています。
日本の塩野義製薬と共同で臨床試験も行っています。
これまでで最も信頼できる成果
研究者によると、ADHDの改善が期待できるゲームはこれまでにもいくつかありましたが、その中でも今回の実験による結果は、最も信頼できるものだそうです。
研究を続けていけば、数年後には医師が治療薬としてゲームを処方し、患者のADHDの症状を改善できる可能性もあるそうです。
さらに長い時間の研究が必要
ただし、このゲームをADHDの治療法として用いるのはまだ不十分で、さらに研究が必要とのことです。
via:’Digital medicine’: Video games could improve attention levels in kids with ADHD, study suggests