ADHDの人は、同年代の人と比べると大人になるのが遅いです。
もちろんこれは人にもよると思いますが、共感できる人も多いのではないでしょうか。私も非常に共感できます。
そのため、学校から職場への移行がうまくいかない場合が多いです。仕事が長続きしなかったり、仕事を何度も変えたりします。発達障害の人3割の人が「6カ所以上の職場を経験」しているというデータもあります。
ある海外の記事で、20代から30代半ばにかけて仕事を何度も変えたADHDの女性の例が紹介されています。
この女性の例が興味深いので、紹介します。
目次
40代でようやく仕事が安定したADHDの女性
この女性はこれまで何度も仕事をクビになったり、ミスや失敗が理由で自ら辞めてきたそうです。
一時期は看護師になりたいと思っていましたが、失敗が多く結局辞めてしまいます。次に就いた金融関係の仕事も同じようにして辞めました。
しかし、この女性はその後30代半ばでエステティシャンの資格を取得し、40代になった現在はエステティシャンとして働いています。生活も安定し、仕事にも満足しているそうです。
女性によると、40歳になってようやく大人になったことを感じられたとのことです。
このように、ADHDの人は安定した仕事を探すのに時間がかかる場合が多いです。
ADHDの人は30代後半で21歳くらいの精神年齢?
ADHDの専門家によると、ADHDの人の多くは、30代後半で一般的な人の21歳の感情的成熟に達します。すなわち、30代後半のADHDの人の精神年齢は、一般の21歳の人の精神年齢と同じだということです。
21歳というと、ちょうど大学を卒業して職業生活に移行する時期ですから、ADHDの人はそれが30代後半になるということですね。
ですから、特に若いADHDの人は職業生活に苦労しがちなのかもしれません。精神年齢が追い付いていないからです。
そのため、ADHDの人には親や専門家のサポートが必要です。
ADHDの卒業生は、まずは親元を離れて自活の経験が必要がある?
また、専門家によると、ADHDの人は職業生活に移行するのに同年代の人よりも時間を多くとる必要があります。
そのため、ADHDの人で大学や学校を卒業した人は、まずは1年か2年ほど自宅から遠く離れて生活するほうが良いです。というのは、ADHDの人は自活する能力を得ることが必要だからです。
また、仕事も単純労働など、負担にならないものが良いです。学校卒業してすぐのADHDの人は、仕事と自立した生活を両立するのが難しいからです。
ただし、新卒で働くことが奨励される日本の場合は、卒業してすぐにブランクがあると就職しにくいという問題点はありますね。あくまでこれは海外の話であることにも注意が必要です。
親は家に戻ってくるADHDの子どもを理解する必要も
前にも書いたように、ADHDの人は仕事を転々とすることが多く、さらに仕事を辞めて実家に戻ってくる人も多いです。
親はこれを「災難」と思うのではなく、理解してサポートする必要があります。ADHDの人の精神年齢は同年代のそれよりも遅く発達するという事情があるからです。
ただし、あくまでサポートは限定的であることが大切です。具体的には、数カ月後には毎月家にお金を入れさせたり、食事や洗濯は自分で行わせたり、ということです。
ADHDの人が大人になっていく過程は、時々思い出したように行われることが多いです。それを理解する必要があります。
キャリアカウンセラーなどの専門家に相談する
以上の理由から、ADHDの人は専門家やキャリアカウンセラーに相談して、仕事探しをするのが良いです。ADHDの人に合った職場などを紹介してもらえる場合があります。
ADHDの人は同年代の人と比べず、時間がかかるということを理解して、仕事探しなどをしていくのが良いでしょう。
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参考記事:Grow Up Already! Why It Takes So Long to Mature