ADHDの人が自分に向いている仕事を探すにはどうしたらよいでしょう。
一般に、ADHDの人に向いているとされる仕事はいくつかあります。
しかし、向いている仕事は人によって様々でしょう。
あるADHDの人に向いているとされる仕事が、別の人にとっては地獄のように思える可能性もあります。
人によって何が強みで何が弱みかも異なります。同じADHDと言っても、ひとりひとりが個性のある別人なのです。
それではADHDの人の仕事探しはどうしたらいいのでしょうか?
そこで、ADHDの人が自分に合った仕事を探す方法を紹介します。
目次
1.好きなことと嫌いなことの一覧を作る
まず、自分の好きなことと嫌いなことの一覧表を作りましょう。
できるだけ多く書き出したほうがいいです。
以下が例です。
「好きなこと」
- 読書
- 人と話すこと
- 水泳
- インターネット
など
「嫌いなこと」
- 電話の応対
- 書類仕事
- 人がたくさんいる場所
- 早朝
- 数字を使う仕事
- みんなの前で話をすること
- 退屈な仕事
など
また、一覧表に最も好きなことと最も嫌いなことも付け加えましょう。
2.仕事経験とスキルの一覧表を作る
あなたの仕事経験とスキルの一覧を書き出しましょう。
いままでに経験した仕事のすべてを思い出しましょう。仕事の役割と責任もリストにしましょう。
以下が例です。
- オフィスでのスキル、経験:ファイリング、電話の応対、カスタマーサービス、テレマーケティング、セールス、簿記、タイピング
- コンピュータのスキル、経験:DTP、プログラミングなど
- ソフトウエアのスキル、経験:ワード、エクセルなど
- それ以外:正確なタイピング、校正
など
数日を使ってこれまでのすべての経験とスキルを考えましょう。
できるだけ詳細な情報をリストにすると良いですね。(例は完全ではありません。ほかに学歴や、仕事以外の経験、ボランティアの仕事なども加えましょう。)
3.ライフスキルの一覧表を作る
社会生活を営む上での自分の「ライフスキル」の一覧を書き出しましょう。
これは良い点も悪い点もすべて書きます。
以下が例です。
- 問題が起きたときに解決方法を見つけることができる
- パーティーなどでの盛り上げ役
- パーティーを主催するのが好き
- 努力家
- 周りに貢献する
- 時間を守る
- 人が多いところが怖い、苦手
- 忘れやすい
- 仕事が遅い
など
また、どのライフスキルが改善できてどれが改善できないのかを明らかにしましょう。
自分の強みではない部分が重要になる仕事は選ばないようにしましょう。
4.過去に仕事で好きだったことの一覧表を作る
過去の仕事で「好きだったこと」の一覧を書き出しましょう。
- フレキシブルな労働時間
- 監視の少ない職場
- 創意工夫の余地が多い職場
- 上司が信頼してくれる
- 締切があり、時間に間に合うよう強制される仕事
など
5.過去に仕事で嫌いだったことの一覧を作る
過去に経験した仕事の中で「嫌いだったこと」の一覧を書き出しましょう。
以下は例です。
- 上司と合わないこと
- 時間に追われてパニックなり、締め切りに遅れてしまったこと
- 退屈なこと
- 人がたくさんいる職場
- 自由すぎる職場
など
一覧を作ったら、この中でもう一度経験したくない、対処することができないと思えることに印をつけましょう。
6.数日空けて見返す
一息つきましょう。頭の中からアイディアを出し尽したはずです。
考えを書いたノートを数日どこか安全な場所に保管しておいて、見るのをやめましょう。
数日あけてノートをもう一度見返したら、また新たな考えが出てくることにびっくりするかもしれません。
7.親友や家族にアドバイスをもらう
一覧表を作るのに行き詰まったら、親友や家族にアドバイスをもらいましょう。
過去の出来事や仕事を思い出す手助けをしてもらい、過去の出来事を正確に手に入れることができるようにしましょう。
8.自分の興味と過去の経験を比較する
自分の興味関心と自分の過去の経験を比較しましょう。
たとえば、写真に興味があると書いたとします。しかし、それにもかかわらず、あなたはこれまでにカメラを持ったことがありません。
その場合、それはただ写真を「見て楽しむ」ことに興味があるだけで、職業につながるものではないかもしれません。
「写真家」「フォトグラファー」の仕事はリストから消したほうがいいでしょう。
過去の経験や教育経験と照らし合わせて、仕事につながるような興味関心のあるものは何でしょうか?考えてみましょう。
9.好きなことに関係する仕事を書き出す
好きなことや興味のあることのリストを見返して、それに関係するすべての仕事を書き出しましょう。
10.強みを生かせる仕事を選ぶ
不満を感じる仕事ではなく成長できる仕事を選びましょう。そのためには、あなたの強みとマッチする仕事がいいでしょう。
11.過去をもう一度振り返る
過去の仕事での経験で嫌いだったことと好きだったことをもう一度見返して、あなたにとって重要なことが何かを確認しましょう。
仕事の内容やかかる時間が明確に決まっているような大きな会社がいいですか?それとも、会社の成長が日ごとに実感できるようなベンチャー企業がいいですか?後ろで監視されながらも、最後まで一人で仕事をするような会社がいいですか?
どのようなタイプの会社で働くのがいいのかを、好き嫌いのリストを使用して判断しましょう(起業やフリーランスでも構いません)
集めたすべての情報は、仕事の面接でも非常に役に立ちます。
何を求めていて、なぜ仕事をするのかがわかります。会社で何を見つけるべきなのかがわかります。
この知識はあなたの自信を示し、あなたにとって何がベストなのかを決める基準となります。これは衝動的な決定(「何か面白そう、やってみようかな」)よりも信頼できるものです。
必要であれば、企業の面接の内容ノートに取り、家に帰って「一覧表」と比べて自分に合っているかどうか確認しましょう。
自分の強みを生かして好きなことや興味のあることや自分に合った仕事をすることは、自分の苦手を克服しなければいけない仕事よりもキャリアの充実につながるでしょう。
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参考記事:Finding Your ADHD Friendly Job