最近、ADHD治療薬に代わるものとして、漢方が注目を集めています。
漢方は数千年の歴史を持つ中国の薬ですね。実際、漢方薬がADHDの治療に効果的であるという研究結果も複数あります。
参考にした記事はこちらです。
そこで、ADHDの大人と子どもの両方に効果があると期待される漢方薬を紹介します。
1.「柴胡(サイコ)」
柴胡(さいこ)は、抗炎症や鎮静効果が期待できます。
ADHDの治療で使用する場合は、その鎮静効果により、ADHDの症状である多動性と衝動性の改善が期待できます。
また、鎮静効果は非常に穏やかなのも特徴です。
2.「高麗人参」
高麗人参は、集中力を高める効果が期待できます。
集中力を高めるサプリメントの多くには、高麗人参が含まれています。
また、高麗人参は持久力を高めストレスを緩和する効果や、脳の正常な発達を促進する効果も期待できます。
ADHDの子供の中には発達の遅れが見られる子供も多くいます。そのような子供たちには、特に高麗人参がおすすめです。
3.「黄芩(オウゴン)」
黄芩(オウゴン)は神経系を保護する効果が期待できます。
ADHDの子どもの多くは、神経系をコントロールする脳の化学物質のバランスが崩れています。黄芩はADHDの子どもの脳の化学物質のバランスを正常にする効果が期待できます。
また黄芩は特に多動を防止し、神経を穏やかにする助けにもなります。
4.「大棗(タイソウ)」
大棗(タイソウ)はナツメの漢方です。
神経と精神を穏やかにし、身体の安定をもたらす効果が期待できます。
5.「イチョウ葉」
イチョウ葉は脳の認知機能を高める効果が期待できます。
そのため、ADHDの子どもの脳の状態を改善し、心を落ち着かせて穏やかにします。
6.「 茯苓(ブクリョウ)」
茯苓(ブクリョウ)は消化の改善と神経を穏やかにする効果が期待できます。
ADHDの子供の多くは消化が悪いです。そのため、茯苓はADHDの子どもの腸の状態を改善する効果が期待できます。
「「漢方」の科学的な研究結果は?」
漢方がADHDに「効果がある」という理論は、科学的に検証されなければただの仮説です。しかしこれまでの研究のいくつかで、漢方はADHDに効果のあることが認められているそうです。
1990年、中国広州の大学が100人のADHDの子供を研究したそうです。研究では80人の子供に漢方薬を飲ませたそうです。そして3か月後、23人の子供はADHDの症状が完全に消滅し、46人の子供は症状の大きな改善が見られたそうです。また10人の子供はIQのスコアが高くなったそうです。
1994年、陝西省の大学が66人のADHDの子供を対象に調査を行いました。子供たちはADHDの症状を抑えるために漢方薬を与えられました。漢方薬を与えられた子供の80%はADHDの症状が改善したそうです。
1995年、山東大学がADHDの子供を対象に調査を行いました。子供たちには液体の漢方薬が与えられました。94%の子供に改善の効果があったそうです。
もし既存のADHD治療薬とは異なるものを探しているなら、漢方薬は選択肢の一つになるのかもしれません。
参考記事:Alternative ADHD treatment: chinese herbs