ADHDの人には、勉強はできるけど仕事はできない人がいます。
学生時代は優秀だったが、就職活動や社会人になってつまづく人です。その時に初めてADHDと診断されることも多いです。
以下の記事でも、有名大学を卒業後公務員となり、ADHDが判明した女性が紹介されています。
この女性もおそらく学生時代は優秀だったのでしょうが、社会人になってつまづいたパターンでしょう。
とにかく仕事ができない。仕事を覚えるのに人一倍時間がかかった。マルチタスクも得意でない。お客さんから受け取るべき書類を忘れて謝罪をし、後日郵送で送ってもらうようなミスもあった。仕事の段取りを組むことが苦手で仕事が終わらない。結果、残業をすることになる。それでも納期を守れず、上司に怒られたこともあった。
ADHDの人は動作性IQが低いのが特徴です。動作性IQは物事を順序立てて行ったり、間違い探しを行う動作を指します。
この女性も動作性のIQが80しかなく、語彙のIQとの乖離が20もあったそうです。
「作業する能力と語彙の能力でIQ(知能指数)の乖離が15以上あると発達障害と言われている」そうです。
おそらく、勉強の能力は「語彙の能力」で、仕事を処理する能力は「動作性のIQ」になるのだと思います。
間違い探しや作業の順序立てを行う動作がとても遅く、動作だけのIQは80しかありませんでした。片付けられない原因の一つが、間違い探しができないよう、散らかっていることが目に入らないからだとわかりました
勉強はできるけど仕事はできないというパターンの人ですね。
薬(コンサータ)で改善
しかし、この女性はADHDの治療薬(コンサータ)を服用したところ、症状が改善したそうです。やはり薬は大切ということでしょうか・・・。
これを飲んで初めて、片付けができるようになりました。これはここにしまうもの、これはいらないから捨てていいもの、という常人がやっている判断を25歳にしてやっとできたんです。『みんなはこれを普通のこととしてやっていたのか!』と衝撃を受けました。
一般の人でもわかるように例えるなら、近視のために初めてメガネをかけて、視界がクリアになった感覚です。
「視界がクリアになった感覚」というのはわかりやすいですね。
薬は副作用もあるようですが、今のところADHDの改善には一番効果が期待できるものなのかもしれません。
また、この女性の職場の人も理解があります。女性がミスを繰り返してもあまり怒るようなことはないようです。
職場によっては何度も叱られたり、いじめのようなことをされたり、クビになるということもあります。それで職を転々としている人もいます。
もしかしたら、公務員という職業はミスが比較的許される可能性がありそうです。
参考記事:29歳、有名私大卒の彼女がADHDで抱える苦悩