『アスペルガー流人間関係』という本を読んでいたら、定型発達者についての面白い説明がありました。なかなか興味深いので紹介します。
「定型発達症候群」(Neurotypical syndrome)は神経学的な障害であり、社会の問題に対する没頭、優越性への幻想、周囲との適合への固執という特徴を持つ。定型発達者(NT)は、自分の経験する世界が唯一のものもしくは唯一正しいものであるとみなす傾向がある。NTはひとりでいることに困難をもつ。NTは、さして重要に思えないような他人の差異に対してしばしば非寛容である。NTは集団になると、社会性および行動において硬直し、集団アイデンティティを保持する手段が機能不全で、破壊的になり、信じ難い儀式の遂行に執着することがよくある。NTは率直なコミュニケーションを苦手とし、自閉症スペクトラムの人に比べてうその出現率が高い。(p11)
これは新しい視点ですね。アスペルガーの特徴のある人を「普通」とすると、それ以外の人が「定型発達症候群」になるということです。普段はこの逆で、定型発達症候群の人が普通とされるので、アスペルガーの特徴のある人が「アスペルガー症候群」と呼ばれますよね。
これはつまり、私たちが普段当たり前と思っていることも、あくまで特定の視点から見たもので、視点を変えると全く別の世界が見えることがわかる例だと思います。
現在の社会は定型発達の人がマジョリティなので、それで定型発達の人が普通となり、アスペルガーの特徴のある人がマイノリティになるのだと思います。
このように柔軟な見方ができるようになれるといいですね。