ニュージーランドに住む、デイビット・グリア(David Greer)さんは、アスペルガー症候群の男性です。IQはなんと184もあり、コンピュータや、林業、農業の技術を持ち、トラックや機械を操作する免許も持っています。
しかし、彼の障がいがわかると、雇うのを止めようとする雇い主が多く、なかなか仕事に就けず苦労しているそうです。
道路を走る車の数やナンバープレートをすべて記憶
デイビットさんは、いわゆる定型発達の人とは違う脳の働きをします。
たとえば、会話をしている際に、彼は道路を走る車の数やナンバープレートをすべて記憶できます。
しかし、この普通の人にはない能力により、社会に適応するのが困難になっています。彼は社会規範が理解できなかったり、騒音に悩まされることが多く、常に耳栓を持ち歩いています。そのため、仕事に就くことも難しいのです。
「なぜ障がい者を雇うのか」
実際、デイビットさんは最近、4カ月勤めていた警備の仕事を辞めました。
彼は泥棒を捕まえたり、素早く在庫を調べたりと、仕事の能力は優秀でした。
しかし、彼の同僚が上司に「なぜ障がい者を雇うのか」と質問したことがきっかけで、同僚の人達との関係がうまくいかなくなり、職場にいずらくなりました。
自閉症の支援団体の人によると、自閉症の人は仕事で重要となるスキルを持っている人が少なくありません。しかし、社会的なコミュニケーションが苦手なため、面接でうまくいかないことが多いのです。
欧米は比較的発達障害の人への理解が進んでいるというイメージだったのですが、必ずしもそうではないようですね。日本でも同じようにして仕事で苦労している発達障害の人は多いと思います。
仕事の能力自体は高い人も多いと思いますので、職場での適切な支援があればうまく働ける人も多いのではないでしょうか。
参考記事:Tapping into autism unlocks hidden potential in the workforce