専門家によると、約80%の大人のアスペルガー症候群の人と高機能自閉症者はフルタイムの仕事についていないそうです(外国の場合)。それは彼ら/彼女らが仕事ができないというわけではありません。仕事ができてもなかなか周囲から受け入れられないのです。
これまでの数えきれない研究は、多くの人に望まれる同僚の特徴が「人当たりや愛想が良い人」であることを示しています。アスペルガー症候群の人にはこの特徴が欠けている場合が多いのです。
アスペルガー症候群の人が仕事を選ぶときは、強みを最大限に発揮できるものがいいでしょう。
また、アスペルガー症候群の人は普通の人よりも「短期記憶」の能力が低く、「長期記憶」の能力が高い傾向があります。そのため短期記憶を専門に要求される仕事はできれば避けたほうがいいかもしれません。
あるアスペルガー症候群の人は「短期記憶が要求される仕事は本当に難しいです。同時に複数の仕事を処理することができません」と言います。
アスペルガーの人の仕事のヒント:
- 仕事上の上司にはあなたのアスペルガーの症状を知らせておいたほうが良い。
- 「人格」ではなく「仕事」を売る。あなたの仕事の技能がわかる作品集を作りましょう。
- 明確な目標や終わりがある仕事が良い。
目次
アスペルガー症候群の人が高校や大学で勉強するべき分野
アスペルガーの人は、大学で直接仕事に結びつきやすい専攻を選ぶことが重要です。
たとえば、コンピュータの専攻は良い選択です。優秀なプログラマーの多くは、アスペルガー症候群やその傾向がある人たちです。
アスペルガー症候群の人が大学で専攻すると良い分野は以下です。
・会計、エンジニア、図書館科学、商業や製図などに重点を置いた美術
逆にアスペルガー症候群の人が大学で避けたほうがいい専攻分野は以下です。
・歴史、政治、商業、数学
アスペルガー症候群の人は「専門性」で「社会的スキル」をカバーするべし
アスペルガー症候群の男性/女性は低い社会的スキルを専門性で埋め合わせる必要があります。
社会的スキルが低くても他の人が喜んで買いたくなるような専門的なスキルを身につけなければなりません。
そのため、仕事のスキルがわかるようなポートフォリオ(作品集)を作ったほうが良いでしょう。最低限の社会的なスキルは学ぶ必要がありますが、仕事の同僚と興味を共有することで友人は作れるのです。
あるアスペルガー症候群の人はこう言いました。「私の社会生活はすべて仕事と関係したものです。一緒に面白い仕事をすることで友人になれます。」
アスペルガー症候群の人におすすめの仕事と避けたほうが良い仕事
避けたほうがいい仕事
- 航空管制官:情報過多でストレスになります。
- レジ係:短い時間でのお釣りの計算は多くの短期記憶が要求されます。
- カジノディーラー
- 先物市場のトレーダー:完全に不可能です。
- 受付や電話オペレーター
- 素早く作る料理を担当する料理人:多くの注文を覚える必要があり、様々な料理を同時に作る必要がある。
- 口述筆記者
- タクシーの配送係
- ウエイトレス:テーブルごとの注文を覚えるのが難しい。
お勧めの仕事-視覚で物を考える人(visual thinking)
- 動物トレーナーや動物看護士
- 自動車整備士
- ビルメンテナンス
- 建物取引
- 商業美術:広告と雑誌のレイアウト・デザインの仕事はフリーランスとしてもできるのでお勧めです。
- CGアニメーター:視覚優位者にとってはベストな仕事です。しかしこの分野は競争が激しいことが難点です。
- プログラマー
- PC修理
- 製図
- 機械設計
- 工場のメンテナンス
- 検査技師
- 写真家
- 小型電気製品や芝刈り機の修理:地元密着型のビジネスとしてもってこいです。
- ゲームデザイナー
- ウエブデザイナー
お勧めの仕事-視覚で物を考えない人(Non-Visual Thinkers)
- 会計
- 銀行窓口
- プログラマー
- コピーライター
- エンジニア
- 在庫管理
- ジャーナリスト
- 検査技師
- 図書館司書
- 物理学者・数学者
- 統計学者
- タクシードライバー
- テレマーケティング
お勧めの仕事―非言語性(Nonverbal Individuals)
- 印刷ショップ
- データ入力:ただし細かい運動のスキルに問題がある場合は、お勧めできない仕事です。
- 工場のライン:静かな環境の場合は特に良いです。
- ファストフードの店員:清掃や調理の仕事は短期記憶はあまり要求されません
- 清掃
- 庭師
- 植物の水やり
- リサイクル工場
- 図書整理
- 在庫補充
- 倉庫係
自分の特性と専門性を身に付けることが大切?
以上です。これらを見ていくと、アスペルガーの人は自分の特性を見極めて専門性を身に付けることが大切のように思われます。
私自身、自分の特性を考えたり専門性を身に付けるということをあまりしてこなかったので、働くようになってから本当に苦労しています。
もし大学に進学するのであれば、特性にあった専攻を選ぶのが良いのかもしれませんね。たとえば文系を専攻すると、理系よりも仕事探しなどで苦労することが多いように思います。文系の多くは営業職など、対人能力が必要な仕事をする場合が多いからです。学者などはまた別ですが。
もちろん、専門性を身に付けたとしても、様々な苦労があると思います。
それでも、発達障害の人はできるだけ早く診断を受けて、それを元に具体的な将来設計を考えていくことが大切なのかもしれません。
また、大人のアスペルガー症候群の人に合った仕事を探すのに「求人・転職サービス」も役に立つかもしれません。
たとえば、障がいのある人向けの「障害者の就・転職ならアットジーピー【atGP】」などがあります。
参考記事:Best and Worst Jobs for Aspergers Adults