発達障害(ADHD・アスペルガー症候群)の人に向いている仕事の一つとして、「教員」がよくあげられます。
たとえば、以下の海外の記事では、ADHDの人の「best job」の1つとして教師があげられています。
ADHD Job #1: Teacher
Many adults with ADHD find joy in professions that allow them to work directly with children — in careers such as teaching or child care. These jobs rely on your dynamic personality and thoughtful creativity, though they may put your patience to the test.
発達障害の人は「専門性を生かした仕事が向いている」と言われるので、その中に「教員」も含まれているのでしょう。
また、ADHDの人の個性の豊かさや創造性の高さといった特性が、子どもにとってプラスに働く可能性があります。
一方で、教員は頻繁にコミュニケーションが必要とされる仕事です。
発達障害、特にアスペルガー症候群の人の多くはコミュニケーションが苦手ですから、生徒や親とのコミュ二ケーションに苦労する人も多いのではないかと想像できます。
目次
教員の権威が低下、教員には「コミュニケーション能力」が求められている
特に最近は教員の権威というものがどんどん低下してきているように思えます。
典型的なのが「モンスター・ペアレント」です。
昔のように教員に権威があれば、教員のしていることは絶対であったため、良くも悪くも親からのクレームはあまりなく、親とのコミュニケーションを密にする必要はなかったのかもしれません。
しかし現在は教員も普通の会社員並みに様々な対応が要求される時代なのです。
教員に「高度な協調性」「対人スキル」「臨機応変な対応」が求められる時代
発達障害者の人が苦手なことに「高度な協調性」「対人スキル」「臨機応変な対応」があります。
現在の教員の仕事も、このようなことがだんだんと要求されてきているようにも思えます。
ですから個人的な印象では、教員の仕事が発達障害者に向いているとは必ずしも言えないのではないかと思います。
発達障害者の人は「大学の教員」なら適職、「小中高の教員」なら大変かもしれない
教員の中でも、対人コミュニケーションが少なく、専門性を生かせる大学の教員は、まだ発達障害の人にとって適職かもしれません。
しかし、小中高の教員というのは、頻繁に高度な対人コミュニケーションを求められるため、発達障害者の人にとってはなかなか大変な仕事になっているのかもしれません。
まとめ
近年では教員の権威が低下し、コミュニケーションスキルや臨機応変な対応が求められるため、教員という仕事は発達障害の人にとっては大変となる可能性があります。
一方で、ADHDの人の個性豊かな特性が、子どもたちにとってプラスに働く可能性も十分考えられます。子どもたちの創造性を高めるきっかけとなるかもしれません。実際アメリカなどでも教員をしている発達障害の人は少なくないようです。
そのため、一概に「発達障害だから~」と決めつけるのではなく、自分の特性や希望に合わせた選択をするのをおすすめします。
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