自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー障害)を持つ人は「表情模倣」が少ないという研究結果が出たそうです。
「表情模倣」というのは、「他者の表情を見て、自分も同じような表情を自動的・反射的に行う現象」です。人は普段、コミュニケーションの中で表情模倣というのを自然に行っているそうですが、自閉症やアルペルガー障害を持つ人は表情模倣が少ないのだそうです。
「表情模倣」というのは人とのコミュニケーションの中で欠かせないものです。例えば、他の人が悲しそうな表情をしているのに、自分だけ無表情だったりすると、他の人を少し変な気持ちにさせてしまうことがあると思います。
特にコミュニケーションの障害が強いアスペルガー症候群の人は、「表情模倣」が少ないことが、コミュニケーション障害の要因の一つとなっているのかもしれません。
京都大学の義村さや香医学研究科助教らの研究グループは、自閉症スペクトラム障害を持つ人は、目に見えるレベルでの表情模倣の頻度が低く、表情模倣の頻度が低下するほど社会性の障害が強いことを明らかにした。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、自閉症やアスペルガー障害の総称で、人口の数パーセントを占めると推測されている。主な症状として社会性の障害があり、特に表情を介したコミュニケーションの障害は中核的な問題とされている。
今回の研究では、知的障害のないASD群の成人15名と定型発達(障害を持たない)群の成人15名を対象として、他者の2種類の表情(怒りと幸福)を見ている間の被験者の表情反応を録画し、目に見える表情模倣があるかどうかを評価した。その結果、ASD群では、どちらの表情についても目に見える表情模倣の頻度が少ないこと、模倣の頻度が低いほどASD群の社会性の障害が強いことが分かった。
今後の研究がさらに期待されます。
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