研究によると、大人のADHDの人は体重が多いか肥満気味の人が多いようです。
ADHDと体重の関係は、ADHDの人は「脳の実行機能」に問題があることを考えると理解できます。
「実行機能」は、自己規制、計画、整理、優先順位付けと将来への意識に影響します。そしてこの実行機能は食事の習慣にも影響を及ぼすのです。たとえば、何を食べるのか、どこで食べるのか、どのくらい食べるのかに影響します。
ADHDの人は脳の実行機能に問題があるため、食事のとり方にも問題が生じるのです。
具体的な理由は以下です。
目次
なぜADHDの人は太ってしまいがちなのか?
1.「食事に集中せず、注意が散漫になる」
注意力が不足しているため、食事中自分がどのくらい食べているのかに注意が向きにくいのです。
たとえばTVを見ることに熱中して、気がついたらクッキーの箱ごと全て食べてしまっていたりします。
2.「食事で自己治療している」
「炭水化物」を食べると「ドーパミン」が増加します(ドーパミンは、ADHDの人の脳には不足しているものです)。
そしてドーパミンは(短い間ですが)うつ病や不安など、ADHDの症状を減少させる効果があります。
そのためADHDの人は炭水化物を食べ過ぎてしまう傾向があります。
3.「食事を計画して準備するのが苦手」
ADHDの人は整理と計画が苦手なので、「食事の計画」も苦手な傾向があります。
ADHDの人がお腹が空くと、健康的な食べ物や手間のかかる料理よりも、すぐに食べられるファーストフードのほうに魅力を感じてしまいがちなのです。
なぜADHDの人は体重を減らすのが難しいのか
1.「ダイエットを続けることができない」
ADHDの人はダイエットに対して、すぐに退屈さや不満を感じてしまいます。
2.「自己管理が苦手」
食料品の買い出し、食事の準備、定期的な食事、十分な睡眠、毎日の運動はとても難しく困難に思えてしまうのです。
3.「過去の失敗経験」
もし過去に何度も体重を減らそうとして(そして失敗したことがあるのなら)、体重を減らすことには幻滅しているでしょう。もう一度失望を経験するよりは、挑戦しないことのほうが楽なのです。
ADHDの人が体重を減らすためにはどうしたいいのか?
1.「医者に相談する」
研究によると、ADHDの人の多くは、ADHDの症状に対処することが少ないそうです。
しかし体重を減らすためにもADHDの症状に対処するのはとても重要です。一度病院を訪れて医者に相談しましょう。
2.「運動をする」
毎日30分でも運動をしましょう。
ただし運動で脂肪を燃焼させるだけでなく、健康な食事や飲み物を摂取することも大切です。
3.「集中して食事をする」
集中して食事をすることで食べ物の味に敏感になり、満腹感も感じるようになります。
テーブルにきちんと座りきちんとした食器を使用して食事をしましょう。TVを見ながらの食事はできるだけ止めたほうがいいでしょう。
4.「添加物の少ない、自然食品を食べる」
できるだけ「ホールフーズ(自然食品)」を食べましょう。
しかし「加工食品」よりも「ホールフーズ(自然食品)」を好きになるのが難しいのも事実です。「加工食品」のほうが「満腹感」と「満足感」を得やすいからです。
5.「白砂糖や、白い食べ物は食べない」
白砂糖、または白い食べ物、たとえば白いパンなどは食べないようにしましょう。
一度これらの食べ物を食べてしまうと止められなくなってしまいます。栄養価のない食べ物は避けましょう。たとえば炭酸飲料などです。
参考記事:ADHD and Weight