ADHDの専門家によると、ADHDの人が健康的に生活するためには「アサーティブ」のスキルが重要です。
「アサーティブ」とは「他の人を傷つけずに、しっかりと礼儀正しく自分の意見を主張すること」を意味します。またアサーティブジャパンというサイトの定義は以下になっています。
「アサーティブ(Assertive)」の訳語は、「自己主張すること」。しかし、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に表現することを意味します。
参考記事:アサーティブジャパン | アサーティブとは
日本では、特に自己主張をあまりしないことが美徳とされる部分があります。
しかし、自己主張をしないでずっといるとストレスがたまりませんか?特に、ADHDの人の場合は問題が多いようです。
目次
「なぜADHDの人にアサーティブが重要なのか」
ADHDの人が「アサーティブ」を学んだほうがいい理由の一つは、ADHDの人が怒りを爆発させるのを減らせるからです。
「怒り」はADHDの人に共通の問題です。アサーティブを覚えれば、怒りの爆発を減らせます。
また、多くのADHDの人は自分に自信がなく、周りの人を失望させていると感じます。そのため、自分の感情や欲求を抑えてしまいがちです。普段、ADHDの人は「自己犠牲」モードでいることが多いのです。
しかし、これは危険です。なぜなら、怒りは陰で徐々に成長していき、何かのきっかけで大きく爆発する可能性があるからです。
もちろん、怒りを爆発させない人もいます。しかし、そのような人たちは、代わりにうつや不安、停滞感を感じます。
もしアサーティブを練習して適切に自己主張ができるようになったら、怒りを爆発させたり、うつになることはありません。
「アサーティブを行うことで得られるメリット」
- どんな状況でも自己管理ができるという感覚
- 他の人とつながっているという感覚。怒ったり恐れたりすることなく
- ストレスの減少
- 身体的健康の増加
- 精神的健康の増加 例:うつ状態の減少
- 日常生活で関わる人との関係の改善
- 人と衝突することが減る
- 怒りを爆発させることが減る
- 自分と違う意見の人を認められるようになる
- 他人から無視されたり軽く扱われたりすることがなくなる
「アサーティブコミュニケーションのためのヒント」
「自分の感情をはっきりさせる」
コミュニケーションを開始する前に、今現在自分はどのように感じているのか、自分の感情をはっきりさせます。
ADHDの人の中には自分の感情に自信がない人がいます。「今感じている感情は本物なのかどうかわからない」そういう人もいます。アサーティブになるとは、自分の感情に自信を持つことでもあります。
「主語は「私」」
主語は「あなた」よりも「私」を使います。
他人を非難するのが目的ではなく、自分はどのように感じているかを伝えます。たとえば、「あなたのせいで~と感じた」ではなく、「私は~と感じた」とします。
「非言語的コミュニケーション」
非言語的コミュニケーションを使います。
相手の目をしっかり見つめたり、オープンな姿勢を相手にとったりします。
「はっきりした声で穏やかに」
はっきりした声で穏やかに話します。
叫んだり、怒ったり、ぼそぼそと話したりはしません。
「人の話を聞く」
他の人の話を聞きます。たとえ気に入らないことがあってもです。
「自分の欲求」を守る
アサーティブネスの目標の一つは、「自分の欲求(needs)」を他の人から無視されたり軽く扱われたりしないよう、しっかり守り要求することです。
アサーティブスキルの練習を始めると、何が自分にとって普通の状態かがわからなくなるかもしれません。恐れさえ感じるでしょう。しかし、最終的にはそれ以上のメリットがあるのです。
参考記事:ADHD and Assertiveness