睡眠時の障害は、大人のADHDの人が併発する障害です。「不眠症」は睡眠時の障害で最もよく知られたものですが、他にも「歯ぎしり」「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」があります。
睡眠の問題は、ADHDの人にとっては「ダブルパンチ」です。なぜなら睡眠不足は、「集中力の欠如」、「記憶力の低下」、「注意散漫」などのADHDの症状の原因となるからです。
もしあなたが睡眠障害である/あるいは睡眠障害の疑いがある場合は、あなたの生活とADHDへの影響を最小限に抑えるために、睡眠障害を治療することが重要です。
1.「歯ぎしり/ブラキシズム(ギリシャ語で「歯ぎしり」)」
「歯ぎしり」が短期的に及ぼす影響は、頭痛、顎痛、顔面筋痛、耳痛、肩痛です。
長期的な影響は、歯痛、歯の摩耗/損壊、歯性感染症/歯性膿瘍、顎の痛みと凝りです。自覚症状がある場合は、歯医者に行き、体に合った歯ぎしり用マウスピースなどをつけましょう。
2.「睡眠時無呼吸症候群」
睡眠時無呼吸症候群も、大人のADHDの人が併発するものです。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
誰もが睡眠中は深い眠りが必要です。もし睡眠が十分でなければ、朝起きた時に疲労を感じます。また、注意不足といった短期的な問題だけでなく、長期的な問題、心臓発作、脳卒中および2型糖尿病の原因となります。できるだけ早く医者に行きましょう。
睡眠時無呼吸症候群には、CPAPいう治療法が一般的です。
鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法です。 Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとってCPAP(シーパップ)と呼ばれ、いまや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のもっとも重要な治療法となっています。
3.「むずむず脚症候群」(RLS)
むずむず脚症候群は、以下のような状態です。
じっとした姿勢や横になったりしていると主に下肢の部分に(患者によっては、脚のみならず腰から背中やまた腕や手など全身にまで現れる)「むずむずする」・「じっとしていられない」・「痒い」だけでなく、「ピンでなぞられているような」・「針で刺すような」・「火照るような」・「蟻やミミズなどの虫が這っているような」などの異様な感覚が現われ時には「振動」のような感覚まで感じたりする場合もある。
また「激しい痛み」を感じるなどさまざま。この苦しさは「脚の中に手を突っ込んでかき回したいぐらい苦しい」と表現する患者もいて、この症状の辛さを表している。
今のところ、正確な原因はわかっていません。ただしドーパミンの減少、または健康不良、たとえば鉄分不足などが原因ではないかと考えられています。自覚症状がある場合は、こちらも医者に診てもらいましょう。
何か睡眠時の問題を抱えている場合は、「できるだけ早く」医者に診てもらいましょう。心地良い夜の眠りができるようになったら、きっと生まれ変わったかのように感じられるはずです。
参考記事:ADHD and Teeth Grinding, Sleep Apnea and Restless Leg Syndrome