テレビゲームを使用してADHDの症状を特定し、不注意の重症度を評価することを提案する論文が『Brain Sciences』に最近発表されました。
この研究は、ヒメネスディアス財団病院(スペイン)の精神科ユニットと、ADHDと診断された8歳から16歳までの32人の子どもたちが共同して実施されました。
ゲームでは、プレイヤーが「アライグマ」を操作し、18のステージで180個の「穴」をジャンプして回避します。
via:Research uses a video game to identify attention deficit symptoms
研究者によると、ADHDの不注意タイプと診断された子どもは、その症状のためゲーム中にジャンプでミスが多いと想定されるため、プレイの結果で診断ができると考えられます。
テレビゲームを診断に使用することの良い点は、客観的に診断できることです。
加えて、診断はたった7分で完了するため、診断に要する時間が大幅に削減できます。また特定の機器も必要としないため、費用も大幅に節約できます。
また、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスを使用してリモートで診断ができます。特にコロナ禍のこの時期には大きなメリットです。
まとめ
現在、ADHDの診断は、主に医療専門家の観察スキルに依存しています。
そのため、今回の論文で提案されている診断方法の開発は、より客観的な診断が可能だと考えられます。
また、早期診断に有利に働き、したがってこれらの患者の予後を改善する可能性があります。
加えて、短時間で行え、コストも少なく、リモートでも行えるというのは大きなメリットだと思います。
日本でもADHDの診断を受けるのに多くの時間がかかることが多いので、このような診断方法が実用化されると良いと思います。
参考記事:Researchers use a video game to identify and evaluate the degree of ADHD / Research uses a video game to identify attention deficit symptoms