ADHDの人はたくさんの失敗を経験します。
学生時代を振り返ると、まずは失敗が思い浮かぶという人が多いのではないでしょうか。
そのほかにも、卒業や結婚、家の購入、就職などで失敗します。
目次
失敗を繰り返すと自信を失い、さらに失敗する
失敗が重なると、自信と自尊心が減ります。
そして、物事を達成できなくなり、さらに失敗をしてしまいます。
ADHDの人は失敗の経験に慣れてしまい、自分は成功できないと感じるのです。
たとえ何かすごいことを達成しても、これはまぐれだと思ったり、達成したことを喜ぶよりも達成するまでの苦痛ばかりを思いだしてしまうのです。
ADHDの人が失敗に対処するには?
プリンストン大学のハウスホーファー教授によると、「失敗を記録する」ことが重要だそうです。
紙やパソコンなどでいままでの失敗を書いてみましょう。
それではなぜ失敗を記録することが役に立つのか、以下がその理由です。
失敗を記録することが役に立つ理由
「失敗経験を頭の中から取り除く」
「失敗の記憶」が頭の中にあると、それがいつまでも残ってしまいます。
そしていつの間にかその記憶はどんどん大きくなり、その結果実際の失敗経験よりもより大きなものになってしまうのです。
頭の中で否定的な感情を失敗経験に結びつけ、失敗経験を少しでも思い出すことでそれを何度でも追体験してしまいます。
しかし過去の失敗経験を記録することでこのサイクルを壊すことができます。
過去の失敗経験をより客観的に見る助けになるのです。
「恥を感じることを減らす」
「恥」は大人のADHDの人にとって最も危険な感情です。
失敗による恥の感情は少しづつ自信と自尊心をすり減らしていきます。
そして未来の大きな目標をあきらめ、無難な道を選んでしまうようになります。
そうならないためには、「失敗」を隠すのは止めてできるだけオープンにしましょう。
それが恥を感じることを減らすための出発点になります。
「他の人と共有する」
「すべての失敗」が恥などの感情を引き起こすわけではありません。
失敗の中にももう今ではなんとも思わないものがあるはずです。
どんな失敗経験が今でもあなたを傷つけているかを特定しましょう。そして一度紙に書き出して確認してみましょう。
また友達やセラピスト、ブログなどに書いて他の人と共有しましょう。
そうすれば恥や失望の感覚は消滅します。
「失敗や拒否に慣れる」
失敗と拒否は人生の一部です。
これまでの「失敗」と「拒否」された経験を書き出すことで、あなたの失敗の「パターン」がわかります。
このパターンは、新しい失敗や拒否を経験したときの助けになります。
たとえば履歴書を5つ送って1通だけ書類審査が通り面接に進める。2つの面接のうち通るのは1つ。3人とデートをして2回目のデートができるのは一人だけなどです。
このパターンを知ることで、拒否や失敗を「数のゲーム」に変える助けになります。傷つくことは減るでしょう。
また以前はわからなかった自分のポジティブな面、たとえば「忍耐力」や「決断力」もわかるかもしれません。
「自分を振り返る時間を作る」
ADHDの特徴の一つは、次から次へと行動を変えていくことです。そこには何が起こったのかを振り返る時間はあまりありません。
しかし過去を振り返る時間は、過去の経験から学び同じ失敗を繰り返さないためにとても大切です。
参考記事:ADHD and Failures